歯ぐきが痩せる・歯ぐきが下がる
「最近歯ぐきが痩せてきた・・・」とお悩みで来院される方が多くいらっしゃいます。
▪昔より歯が長くなった気がする
▪歯ぐきが痩せてきて見た目が気になる
▪歯ぐきが下がってきて冷たい物がしみる
▪下がった歯ぐきの治療をしてもらったが、また下がってきた
▪痩せた歯ぐきに歯ブラシをあてると違和感がある
本来歯ぐきの中に隠れている歯の根の部分が露出してくることを「歯肉退縮」といいます。
このような場合、歯科医院でよく行われる治療が下がった歯ぐきにプラスチックを貼り付ける治療です。
治療は1日で終了し、しみるなどの症状は一旦改善されます。
しかし、よく見てください
黄緑の矢印の箇所は隙間が出来て黒く変色し、中にバクテリアが入り込んで虫歯になってきています。
また青の矢印の箇所は詰めたところの周りの歯ぐきが腫れて赤く炎症を起こしています。
そしてまた歯ぐきは下がってきて詰め物と歯を削っては詰め替えるという治療を繰り返します。
この治療を繰り返すことにより歯ぐきはどんどん下がっていきます
そして健康な歯と見た目の美しさ両方失ってしまうのです
なぜこんなことになってしまうのでしょうか?
それはきちんと原因を取り除かずにその場限りの対処療法をしているからです。
よく考えてください。
もともと歯ぐきがあったところにプラスチックの材料を詰める。。。不自然ですよね?
歯ぐきがあったところには歯ぐきを戻してあげるのが自然ではないでしょうか?
人間の身体はとてもよく出来ています。
少しでも異物があると身体は反応してそこから逃げようとします。
ですから、歯ぐきは異物であるプラスチックから逃げようとして、歯ぐきは退縮し続けます。
また、歯肉退縮の原因はいろいろあります。
歯周病によるもの、噛み合わせによるものなど様々な原因がありますので、当院ではしっかり診査診断を行ってから長期的に安定する治療を行います。
歯肉退縮の治療法
歯ぐきが痩せてしまったところに歯ぐきを戻す方法
結合組織移植術
歯ぐきの足りないところに移植を行う外科手術で、患者様自身の上あご(口蓋)から「結合組織」を切り取り足りない部分に移植します。
■ 歯の長さが揃って見た目が綺麗
■ 歯磨きがしやすい
■ 硬い健康な歯ぐきを増やせる
■ 歯の寿命を延ばすことができる
症例紹介
左下犬歯がしみる・色が変わっているのが気になるとのことで来院されました。
お口の中を診査診断し、CTGの治療法をご提案させていただきました。
この方は小さなお子さんがおられて授乳中でしたので、先に他の箇所にできた虫歯の治療を行いながら
離乳の時期を待ちました。
そして準備が整ったので外科処置を行いました。
処置1週間後に消毒と糸を抜きに来ていただくのですが、「もっと痛みがでるかと不安でしたが大丈夫でした」とのことでした。
処置を行ってから4年経ちますが、しみる症状もなく変わらない状態を保てています。
全体的に歯ぐきの痩せているのが気になり、かかりつけの歯科医院の紹介で来院されました。
診査診断を行ったところ、中等度~重度の歯周病と診断しました。
歯並びが良くないことも原因でした。まずはしっかりご自身で磨きにくいところを磨けるように歯磨き指導を
行い、歯周病の初期治療を進めていきました。
そして歯ぐき下がりの気になる右上犬歯と左下の犬歯にCTGの処置をしました。
左下の犬歯です。歯ぐきが痩せたところに他の歯科医院でプラスチックを
貼り付ける治療をされていました。
CTGの処置直後です。
上あごから採取した結合組織を移植して、糸で縫い付けています。
術後1~2週間で糸を抜きます。見た目は痛々しいですが、処置後はいつもと変わらない生活で過ごしていただきます。消毒に来院いただくのも1週間に一度だけです。
処置2年後です。
まわりの歯ぐきとなじみ、硬く引き締まった健康な歯ぐきになりました。
術後の経過も良好で、現在は矯正治療中です。
「見た目が良くなって嬉しい」と喜んでいらっしゃいました。
下の前歯の歯ぐき下がりが気になると来院されました。
しみることがあり他院でプラスチックを貼り付ける治療をしたが良くならないとのことでした。
この方は歯並びに問題があったので矯正治療と歯ぐきの治療を並行して行いました。
下の前歯の歯ぐきが痩せたところに他の歯科医院でプラスチックを貼り付ける治療をされていました。
CTG処置直後です。
日常生活で特に支障はなく、普段通り過ごしていただけます。
この方は遠方からの来院だったので2週間後に消毒・洗浄を行いました
処置2年後です。
まわりの歯ぐきとなじみどこに移植したか分からないくらいです。
歯並びも良くなってまるで別人のようだと喜んでおられました。
費用
CTG(結合組織移植術)は保険外診療です。
費用は1部位につき103,500円です。
よくある質問
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:CTGをすれば必ず歯ぐきは回復しますか?
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:CTGをすれば必ず歯ぐきが回復するわけではありません。治療技術も進歩し、適応の範囲も広がっていますが、症状によっては行えない場合もございます。
診査診断をきちんと行い、最適の方法をご提案させていただきますので一度ご相談ください。
また、移植したからといってもしっかりメインテナンスをしていただかなければ再発する恐れがあります
状態を維持するためにも定期的にメインテンスを受けることをおすすめしています。 -
:痛みはありますか?
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:術中は麻酔をするので全く痛みは感じません。
術後は移植片を採取した上あごに口内炎ができたような感じになり痛むことがありますが、痛み止めを服用していただくと治まります。
また、できるだけ痛まないように上あごに装着するカバーのようなものを作成し、つけていただくことで普段と変わらない生活を送っていただいてます。 -
:術後の消毒は毎日行かないといけませんか?
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:1週間に一度で大丈夫です。
手術の1週間後、2週間後、そして治りの状態によって1ヶ月後~2ヶ月後に来院していただきます