意外な見逃しを許さない
顕微鏡(マイクロスコープ)を使った治療の大きな特徴は、肉眼では見えないものを2倍から24倍にまで拡大観察できるということです。
これは何を表すかというと、肉眼では見えないぐらい小さなむし歯を発見すれば初期段階での治療が出来ますし、暗く狭い歯の根の部分も、顕微鏡治療では明るく拡大出来ますので、従来のレントゲンを参考にしながら経験と勘を頼りに施す治療とは大きな差が出ます。
その他、肉眼では見えないぐらいの被せ物や詰め物のズレなど不適合部分から入り込んだ菌が、むし歯を発現させているということが少なくありません。歯周病治療、型取り、インプラントなど、治療のあらゆる分野でメリットがあります。
日本での普及率はたった5%
海外で歯科医療を学ぶ場合は、マイクロスコープの利用を前提とした教育が義務付けられています。またアメリカでは根管治療を行う専門医には、マイクロスコープの利用が義務付けられているほどです。
しかし、日本では導入費用が高額なことなどから普及に後れを取っているのが現実です。
日本ではコンビニより歯医者のほうが多い、などといわれますが、その中でもマイクロスコープを導入している歯科はたった5%以下です。
世界基準の治療を行う当院には欠かせない機材となっています。
顕微鏡治療の3つのメリット
情報量が多い
見える範囲が拡大することにより、詳細部位を精密に正確に把握できるので、得られる情報量が多く正しい診査診断が可能になります
例えば歯の根っこの治療(神経の治療)をする時、歯に小さな神経の管があります。しかし、神経の管の穴が見えなければ治療することができません。実はこの写真では、4つの神経の穴が空いています。
しかし肉眼で見ると、3つの穴しか見えません。肉眼のみの治療だと、赤丸で囲んだ小さな穴には気がつかず、治療をしないまま歯をかぶせることになります。
結果、治療したはずの歯なのにしばらくしてから痛みが出る、歯の根が腐るということが起こるのです。
明るい
マイクロスコープの先にはライトがあるので、患部をきれいに照らすことができます。明るいことで視野の確保が容易になり、治療の可能性も広がります。
【ライトなし・肉眼で見た画像】
【ライトあり・マイクロスコープで見た画像】
ライトありの歯の画像は根っこの中の神経が入っている管までしっかりと確認することが可能です。
モニターで確認できる
マイクロスコープのカメラが治療部位を映し出すので、診療ユニットに設置しているモニターで確認することができます。
治療中や治療後の動画、写真撮影も可能で状態を患者様に確認していただきながら説明しています。
ドクターが見ている画像がリアルタイムで大きなモニターに映し出されます
顕微鏡治療にかかる時間
一般に、顕微鏡(マイクロスコープ)を使用すると治療時間が長くなる傾向があります。
何故なら肉眼による治療では見落とされていたむし歯や被せ物の隙間など小さな病変や不具合が確認できるようになりよりきめ細かい治療になるからです。
逆にいえば「肉眼だけに頼った治療にはいかに不備が多いか」ということです。そして、今まで原因不明だった症状が、顕微鏡(マイクロスコープ)を使ったことで明らかになり、無駄な時間を使わずに治療が早く終わる場合もあります。
顕微鏡(マイクロスコープ)を用いるメリットは計り知れません。
ただ、「よく見える」ということは「やるべきことが増える」ということでもあり、治療時間は今までの数倍にもなる傾向にあります。
また「よく見える」ことで、これまで不明だった原因が明らかになることがあります。
そしてこれは治療ができる・できないもはっきりするという事で、中には残念なお話しをしなくてはならない事もあります。
しかしこのような場合でも「あやふやだった事が明らかになり、次の一歩を踏み出す足掛かりになった」と前向きに考えていただきたいのです。そして二度と同じようなことを繰り返さないように、顕微鏡(マイクロスコープ)を用いた信頼性の高い治療をこれからお受けいただくことをおすすめします。
費用
精密根管治療 5万円~
前 歯(前から1~3番目の歯) 5万円
小臼歯(前から4・5番目の歯) 7万円
大臼歯(前から6・7番目の歯) 9万円